相手のバトルポケモンをどくとねむりにする
ビビヨンの「ビビッドパウダー」は割がいいのか重回帰分析してみる。

「ビビッドパウダー」は「相手のバトルポケモンをどくとねむりにする」という効果で、さらに50ダメージを与える。

1エネで50ダメは割が良い気がするが、
しかし2進化ポケモンでもある。

実際のところ効率はどうなのかを考えてみたい。

まず、ワザを使うための条件として以下の3つがある
・そのポケモンを場に出す
・エネルギーをつける
・コイントスをする

つまりダメージは
・必要なポケモンの数
・必要なエネルギーの数
・コイントスの数
の3つのコストに依存する利得であり、それは三元の関数で表現できる。

今回はこれまでの同様の効果をもつカードを重回帰分析し、回帰式を求めてみる。

スタンダードレギュレーションで相手をどくとねむりにできるカードは
・フシギバナEX
・ジュカインEX
・ゴース
・ドクケイル

重回帰分析をするにはちょっと心もとないので、
エクストラレギュの
・ケムッソ
・ラフレシア
殿堂レギュの
・ロズレイド
・クサイハナ
・ゴースト
を加えた9枚を使って行う。

計算は割愛するが回帰式は

D = -4.375S + 22.589E - 0.625C - 12.143

が得られる。

この時
D:ダメージ
S:進化するために必要なポケモンカード(たね:1、2進化:3)
E:エネルギーの数
C:コイントスの回数
である

禁断の光のビビヨンは

・2進化ポケモンなので3枚
・エネルギーは1枚
・コイントスは0回

であるから

D = -4.375*3 + 22.589*1 - 0.625*0 - 12.143 ≒ -2.679

となり、今回のビビヨンはこれまでの傾向から言えば「ダメージなし」が相当で
この回帰式では、2進化であることを勘案しても、
1エネ&コイントスなしで効果付き50ダメージは破格と言える。

でも、「どく」と「ねむり」にしたからと言ってどうなるのかは別の話か。
マッドマウンテンとしょうりのほし
コインを2枚投げてその両方がオモテになる確率は

1/2 x 1/2 = 1/4

で25%である。

もし、この時、ウラが出た時に一度だけコインを投げなおして良いとなった場合の確率は幾らだろうか。

今回は試行回数が少ないので樹形図で見てみる。

1度の降り直しが可能な状態で、2度のコイントスの結果は図の通り6パターンになる。

A. 1枚目が表、2枚目も表
B. 1枚目が表、2枚目が裏で、振りなおして表
C. 1枚目が表、2枚目が裏で、振りなおして裏
D. 1枚目が裏で、振りなおして表、2枚目が表
E. 1枚目が裏で、振りなおして表、2枚目が裏
F. 1枚目が裏で、振りなおしても裏


このうち、2回とも表になるパターンは以下の3つ

A. 1枚目が表、2枚目も表
B. 1枚目が表、2枚目が裏で、振りなおして表
D. 1枚目が裏で、振りなおして表、2枚目が表

判定はコイントスのみで、その確率は他に影響されず、常に1/2であるから、
投げたコインの回数nとして、それぞれの状態になる確率は「1/2のn乗」である。

すなわち、それぞれ

A. (1/2)^2 = 1/4 = 25%
B. (1/2)^3 = 1/8 = 12.5%
D. (1/2)^3 = 1/8 = 12.5%

よって、表題の成功率は、25%+12.5%+12.5%=50%

ビクティニがいれば、サイドンのマッドマウンテンを、コイントス1回分で成功させられるわけだ。
先日のジムバトルで、おぺらさんに見事ワンキルをくらい、その後も先行ファストレイドでワンキルされそうになった。

対戦相手の手腕が見事なのはモチロンのことだが、原因はこちらがベンチを出せなかったことにもある。

私のデッキには10枚のたねポケモンが入っているが、このデッキが最初の7枚でベンチにポケモンを置ける確率はいかほどなのか計算した。



まず、60枚の山札から7枚取り出すときの組み合わせ総数は combination(60, 7) で 386,206,920通りである。


デッキに10枚のたねポケモンをいれた時、個別にみてみると、組み合わせは以下の通り。

7枚中7枚がたねポケモン:120通り
7枚中6枚がたねポケモン:10,500通り
7枚中5枚がたねポケモン:308,700通り
7枚中4枚がたねポケモン:4,116,000通り
7枚中3枚がたねポケモン:27,636,000通り
7枚中2枚がたねポケモン:95,344,200通り
7枚中1枚がたねポケモン:158,907,000通り
7枚中0枚がたねポケモン:99,884,400通り
(合計386,206,920通り)


ポケモンカードゲームは、たねポケモンが手札にいない場合、もう一度引き直す(マリガン)。

マリガンは後の試行に影響を与えないため、「ゲームを開始できる時の手札」の組み合わせは単純に「7枚中0枚がたねポケモン」の組み合わせを除いた286,322,520通りである。

「ゲームを開始できる時の手札」のうち、ベンチにポケモンを出せないのは「7枚中1枚がたねポケモン」の時であるから、その確率は

158,907,000/286,322,520 = 0.55499302...

となり、およそ55.5%。

たねポケモンが10枚では、およそ2回に1回、ベンチにポケモンがいないことになる。


なお、たねポケモンがn枚の時、ベンチにポケモンがいない確率P(n)は以下のようになる。

P(n) = combination(60-n,6)*combination(n,1)/{combination(60,7)-combination(60-n,7)}

例えば、P(n) < 0.5にするためには12枚以上求められる。
あんまりに訊かれる事が多いので、私のデッキについて少し書いておきます。

コンセプトはラランテスGXのワザ「フラワーサプライ」を使って場にエネルギーを溜め、ゴルダックBreakの特性「ハイパートランス」でエネルギーを管理するというもの。

そもそもはビビヨン(XY1)を使いたいというのが着想で、特に「カラフルウインド」は30+基本エネルギーの数x30ダメージと言う技で、最高打点300まで出ます。

ただ、多色が必須で管理が難しい。

ゴルダックBreakが色を問わないのが個性で、相手のHPに合わせてカラフルウインドの打点を調整できます。

相手の月輪の祭壇とかを逆利用できたりすると楽しいです。
シャッフル
「N」や「サナ」を使うとシャッフルをしているにも関わらず手札がそのまま戻ってくることがある。

相手にもシャッフルをお願いしているが、それなのに戻ってくる。

対戦中の私のカードの混ぜ方はいわゆる「ヒンズーシャッフル」で、特に混ざらないシャッフルとして有名だが、

実際、戻した手札がどのようにして戻ってくるのか観察してみた。


ひたすらシャッフルして数えるという試行を繰り返し、結果以下の要領を得た。

【私のシャッフルの癖】
1. すべての手札を山札の一番上にまとめて戻す
2. 山札の中付近(上5~11枚から、下3~10枚の間)からまとめて引き抜き、上に持ってくる
3. 2.で上に持ってきた塊の上8~13枚を残し、下部を再び上に持ってくる
4. 3.で上に持ってきた塊の上7~11枚を残し、下部を再び上に持ってくる
以下繰り返し


ポイントは、2.以降は1.で引き抜いたカードをシャッフルしているだけで、
1.で引き抜かれなかったカード(およそ11~19枚)は全くシャッフルされていないということ。

最初に置いた手札もシャッフルされていないため、
この状態で相手に渡し、相手がカットした場合、運悪く山札の上に手札が戻って来うる。

相手が山札のどこを持ってカットするかが、二項分布に従うと仮定して、
1枚でも手札が戻って来る確率を計算してみた。

1点カットの場合0.67%、2点カットの場合48.58%となった。


そういえば妻と対戦している時、3回連続で手札が戻ってきたことがあったが、確かに妻はいつも3つに分けてカットする。

シャッフルの方法を変える必要がありそうだ。
「n枚カードを入れた時、そのカードが最初の7枚の中に何枚あるか」、という期待値E(n)は


E(n) = Σ{i * combination(n, i) * combination(60-n, 7-i) / combination(60, 7)}
i = 0 → 7

であって、これを解くと

E(n) = 7n/60

が得られる。

一次関数E(n)について
E(n) >= 1 を満たすnは n >= 8.57...
E(n) >= 2 を満たすnは n >= 17.14...

となる。

最初の手札に1枚欲しければ9枚、2枚欲しければ18枚も入れねばならない。
m=(0,,,4)枚入れているカードが、山札にn枚残る(m-n枚がサイドに落ちる)確率p(m,n)は次の通り

p(m,n) = combination(60-m,6-m+n)*combination(m,m-n)/combination(60,6)

よって、m枚入れた時、デッキに残る期待値E(m)は

E(m) = Σ{n p(m,n)} n=0→4

となり、これを解くと以下の式が得られる。

E(m) = 0.9m

2枚以上入れれば、1枚以上デッキに残ることが期待できる。
「れんぞくころがり」のような「裏が出るまでコイン試行を続けた時の表の期待値」という問題は高校数学で習う「無限等比級数の和」で求められる。

Sn = 0/2 + 1/2+2/4+3/8+・・・

0/2の項は0なので無視すれば、Snはa=1, r=1/2の無限等比級数であるから、その和は

Sn = 1/(1-(1/2)) = 2となり

表の期待値は2である。


水エネルギー1つで期待値60でるナマコブシの攻撃力は意外と侮れないのかもしれない。
友人の購入分も合わせて42box1260pack中にカプ・テテフは41枚。

標本比率を41/1260 = 3.25%だとして、
183pack買えば"十中八九"テテフが4枚揃うことになる。

この標本から1packあたりのテテフのHit率も、
数学Bの「確率分布 」の知識で求められる。

ちなみに、"十中八九"で母比率を求めると、
1pack買ってテテフが当たる確率は2.53~3.97%といったところ。
バトルコンプレッサーとピーピーマックス
山札から任意の3枚をトラッシュする「バトルコンプレッサー」。

山札から6枚引いて基本エネルギーがあればベンチにつけられる「ピーピーマックス」。

圧縮すれば成功率が幾らなり上がるのは間違いないが、実際どれほど確率が上がるのか

デッキの残り枚数をx、基本エネルギーの残り枚数がyとした時、ピーピーマックスの成功率p(x,y)は

p(x,y) = 1-combin(x-y,6) / combin(x, 6)
=1-(x-y)(x-y-1)(x-y-2)(x-y-3)(x-y-4)(x-y-5)/x(x-1)(x-2)(x-3)(x-4)(x-5)

同様にバトルコンプレッサー後の成功率p(x-3,y)は

p(x-3,y) = 1-combin(x-y-3,6) / combin(x-3, 6)
=1-(x-y-3)(x-y-4)(x-y-5)(x-y-6)(x-y-7)(x-y-8)/(x-3)(x-4)(x-5)(x-6)(x-7)(x-8)

今回は差で評価する。成功率の増差はp(x,y)-p(x-3,y)。
これは二変数の関数で、等高線グラフで表すと画像の通り。

グラフの大多数を占める青い領域は上昇率が5%以下のところ。

山札が多い時は全て青く、例えば山札が45枚でエネ7枚の場合、
ピーピーマックスを単発で使うと成功率は66.1%
3枚圧縮して69.1%で3%しか上がらない。

もし山札17枚、エネ2枚だとすると単発の成功率は59.6%、
圧縮すると69.2%で約10%upする。

ただし、山札が減っていれば良いというわけではなく、

もし17枚中、エネが7枚残っていると、単発で98.3%。
圧縮して99.7%で、効果は1%以下。

圧縮してもしなくても変わらない。

山札が減ってきていて、更に残りのエネも減ってきている時が望ましく、その時1割程度成功率が上がる

山札からトラッシュに移動する効果は良いが、圧縮という点では効果は限定的なのかもしれない。